日本にいる知的障害者の割合が何パーセントなのか、厳密なデータはとれないんです。
なぜかというと、自分が精神遅滞があるのかどうか、自分じゃわからないからです。
中等度～最重度はさすがにぱっと見でわかりますが、軽度では自分から見ても、他人から見ても、『この子はおっとりした子なんだなぁ』くらいにしか見えないんです。
では軽度の判断基準はなにかというと、『生活しやすいか、しにくいか』。
なぜかわからないのに仕事が覚えられない、会話が噛み合わない、うまく生きることができない、と感じてなにかしらの機関にかかったところ、精神遅滞が発覚した。
というのはままある話です。
発達障害も同様です。
あまりに重度の識字障害だったりすると、文字が書けない、読めない、聞いて理解することはできるのに文章で指し示されると全くなにを書いてあるのか理解できない。
といった具合に、『生活しづらい』状況が生まれます。
そういった、『困った』という環境にならなければ、発達障害であるという診断は全く意味がありません。
極端な話、重度の統合失調症患者で常に虚空に話しかけていても、仕事が完璧にこなせて自力で生活できてれば全く困らないんです。
『困る』から診断が必要なわけで。
障害と名の付くものの判断基準は、『困る』か『困らない』か。
それだけのことです。